メガネによってテンプルの長さはちがいますが、メガネをえらぶとき、テンプルの長さを意識している人はほとんどいないと思います。
テンプルの長さを気にせずにメガネをえらんでも、フィッティングで調整できるため問題になるケースはそれほど多くありません。
ただ、テンプルの長さが自分の耳の位置とまったく合っていない場合、調整ではどうにもならないことも。
今回は、メガネのテンプルが短い場合と長い場合に起きる問題と対処法を解説していきます。
メガネのテンプルの長さについて
テンプルとはメガネの両サイドにある側頭部をホールドするパーツのこと。
だいたいのフレームにはテンプル内側にテンプルの長さが記載されています。
【47□21 145】という3つの数値のいちばん最後がテンプルの長さ(ミリ単位)です。
テンプルの長さの測り方
表記されている数値はネジ中心からテンプルの先端までをまっすぐにして測った長さ(ミリ単位)です。
平均的なテンプルの長さ
テンプルの長さはだいたい決まっています。日本人の平均的な顔のサイズに合わせた長さになっています。
男女別の標準的なテンプルの長さは次のようになります。
- 男性用フレーム・・138~145mm
- 女性用フレーム・・135~145mm
一般的に男性用フレームのテンプルは女性用よりも長い傾向があります。
140~145mmくらいのメガネが多く、145mmあればだいたいの人に対応できます。
ほとんどのメガネフレームは平均的な長さで作られています。
テンプルが160mmくらいのメガネもありますが、いろんなショップを見て回らないとなかなか見つかりません。
基本的にレンズの大きさとテンプルの長さは比例します。顔の大きさに合わせて作っているからですが、小さいレンズに長いテンプルをつけたメガネは平置きしたときにカッコ悪い、という側面もあります。
長いテンプルを折りたたんだとき、レンズの下にテンプルが飛び出し、アンバランスな印象を受けます。店頭に並べたとき見栄えしないので、売れにくくなります。
テンプルの長さ表記の落とし穴
テンプルの長さが同じでも、フロント両端パーツ(ヨロイ)のデザインによってフロントからテンプル先端までの距離は変わります。
たとえば、下の画像のようなデザインの場合、短いテンプルを使っています。
フロントとテンプルをつなぐ部分がバネ構造(ヨロイバネ)になっているためです。
基本的に横幅の大きいメガネは、フロントからテンプル先端までの距離が長く設計されています。顔幅の広い人は顔の奥行が長いことが多いからです。
テンプルが短いと、どうなる?
顔の奥行や耳の位置は人それぞれちがいます。手前に耳がついている人や奥に耳がついている人などさまざま。
耳が側頭部の後ろのほうにある人は、テンプルの長さが足りず耳にしっかり掛からないことがあります。
テンプルが短い場合、次の2つのデメリットがあります。
- メガネがズレ落ちやすい
- 耳が痛くなりやすい
耳の頂点より手前でテンプルが曲がっていると、重力によってメガネがズレ落ちやすくなります。
また、耳の後ろとテンプルの接地面が少なくなり、メガネを支える力が弱いのでメガネがズレやすくなります。
また、テンプルが短いと耳の頂点(付け根)が痛くなりやすいというデメリットもあります。
ストレートテンプルが短い場合
真っすぐなテンプルをストレートテンプルといいます。おもにスポーツ用メガネに採用されています。
ストレートテンプルの場合、テンプルが短くても耳は痛くなりませんが、頭部をしっかりホールドできません。
メガネをしっかり固定するためには後頭部を抱え込む十分な長さが必要です。
テンプルが長すぎる場合もトラブルになることがあります。スポーツをしている時に後頭部より後方に飛び出したテンプルが周りの人に刺さる可能性があります。
ケーブルテンプルが短い場合
ケーブルテンプルとはテンプルの先端が耳に巻き付くような形状のテンプルのこと。
ズレ落ちない、メガネが落下しないというメリットがあります。
ケーブルテンプルが短い場合、耳にちゃんと掛かりません。ケーブルテンプルは形状記憶素材のため、調整ができません。
テンプルを伸ばす方法は?
メガネ屋さんではテンプルを一度まっすぐにしてから耳に合わせて曲げてくれるので、テンプルが多少短くても何とかなります。
ただ、テンプルが短すぎるとフィッティング調整では対応できないことがあります。
そんなときテンプルを伸ばす方法が3つあります。
- 長い耳当てに交換する
- ズレ防止フックを装着する
- 鼻パッドの位置を目の近くに調整する
ロングタイプの耳当てに交換する
テンプル先端に耳当てパーツを被せているメガネの場合、テンプルを伸ばすことができます。
耳当てパーツは70mmのタイプが一般的ですが、下の画像のようなテンプル延長用の長い耳当てがあります。
延長用の80mmの耳当てに交換することで1cmほどテンプルを長くできます。
ズレ防止フックを装着する
テンプルが短い場合、耳裏とテンプルの接地面が小さく、メガネが安定しにくくなります。
フィット感を高めるためにズレ防止フックを取り付けることで、テンプルが長くなったのと同じ効果を期待できます。
鼻パッドを調整する
鼻パッドの調整によってフロントから耳までの距離は変わります。
わかりやすい例として、鼻パッドにシリコンクッションをつけると、数ミリテンプルが短くなります。
クリングスタイプよりも鼻当てタイプのほうがテンプルは長くなります。
鼻あてタイプのほうがレンズと目の距離が近くなるので、実質テンプルが長くなったのと同じ効果があります。
メガネのテンプルが長いと、どうなる?
メガネのテンプルが長すぎるのも良くありません。
長すぎるテンプルには3つのデメリットがあります。
- 見た目が悪い
- ケースに収納できない
- 掛け外しがスムーズにできない
見た目が悪い
テンプルが長いと見た目が良くありません。耳の後ろに長く伸びたテンプルはアンバランスな印象を受けます。
ケースに入らない
テンプルが長いメガネはケースに収まらないことがあります。耳当てを曲げた先が長い場合、ケースの奥行が必要です。
大きいケースにすれば問題ありませんが、大きいケースは持ち運びに不便です。
掛け外しが面倒
下の画像は極端な例ですが、テンプルが長いメガネは掛け外しのときに耳に引っかかります。
テンプルが長いメガネはスムーズに掛け外しができず、ストレスを感じることも。
掛け外しがラクなメガネはテンプルがまっすぐなストレートテンプル。スポーツ中でも片手で簡単に掛け外しできますね。
メガネを購入するときのポイント
メガネ屋さんはお客さんの耳の位置に合わせてメガネを調整してくれます。
購入する前に、スタッフさんに「このメガネのサイズで大丈夫そうですか?」と聞くことで、ジャストフィットのメガネをえらぶことができます。
アパレルのスタッフさんとちがって、メガネ屋さんのスタッフは本当のことを言ってくれることが多いですよ。
まとめ
今回は、短いテンプルが引き起こす問題とテンプルを伸ばす方法について解説しました。
ネット通販でメガネを購入する人が増えているせいか、テンプル耳にちゃんと掛かっていない人をよく見かけます。
販売前のメガネのテンプルは、平置きして並べたときに見栄えするようにゆるく曲げられています。
メガネのテンプルは購入後にお客さんに合わせて調整する必要があります。
さいごにこの記事の内容をまとめました。
- テンプルの長さはまっすぐに伸ばした状態の長さのこと
- テンプルは短いのに、フロントからテンプル先端までは長いフレームがある
- 短いテンプルは耳が痛くなる/メガネがズレ落ちやすくなる
- テンプルを伸ばせるタイプのメガネがある
- 長すぎるテンプルにも問題がある
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