顔の上に置くメガネの「似合う・似合わない」は複雑かつシビアです。
メガネが「似合う・似合わない」に影響するのは次のようなものです。
- 顔の形
- 髪型
- 肌の色
- その人が持つ雰囲気や性格
- 服装との相性
- メガネの形状やサイズ
- メガネの素材
- メガネの色や柄
似合う似合わない問題とは別に、ライフスタイルやTPO、なりたいイメージや相手に見せたいイメージなどもあります。
洋服と同じようにメガネにも「その人、それぞれに合った掛けこなし」というものが存在し、メガネの選び方に正解はありません。
とはいえ、メガネ選びにはセオリーがあります。メガネがファッションの一部となったこともあり、フレームの種類やカラーが豊富になりました。選ぶ楽しさがある反面、どれを掛けたらいいのか迷うこともあります。
そこで今回は、「自分の好みのメガネ」を「相手に狙った印象」を与えて違和感なく掛けこなすためのメガネ選びのセオリーをご紹介します。メガネ選びのセオリーを身につければ、自分にピッタリのものを選べるようになります。
メガネのサイズ選びのポイント
メガネ選びにおいて、最も重要なのはメガネのサイズ感です。
ナチュラルに見えるメガネと顔のバランスを知ることで、グッと似合う確率が上がります。
メガネと顔のバランスで気をつけるポイントは3つあります。
- メガネの横幅が顔幅と同じくらい
- レンズの中心くらいに黒目がくる
- メガネの縦幅が眉からアゴまでの長さの1/3に収まっている
この3つのポイントを押さえれば、ナチュラルでスマートな掛けこなしになります。
リラックス感を出すために、あえて大きめのメガネを選ぶのは全然アリですが、「ブリッジの幅と鼻幅」、「鼻先からメガネまでの距離」を気にする必要があります。
鼻先からメガネが近すぎると、バランスが悪く冴えない印象になります。
下の画像のモデルのように、ゆる系のメタルフレームをジャストサイズで掛けると大人っぽい印象に仕上がります。
ジャストサイズのメガネの選び方や適正サイズのメガネをを選ぶ重要性については次の記事で詳しく解説しています。
メガネをかける正しい位置
レンズの真ん中くらいに黒目がくるのがメガネの通常の掛け位置です。
メガネを掛ける位置によって印象は変わります。
メガネの位置が高く、目がレンズの下の方にきていると不安定な印象に。緊張しているようにも見えます。
反対にメガネの位置が低いと、だらしなく、どぼけた印象になります。芸人さんは、あえて間抜けな印象を与えるためにメガネをずらして掛けていることがあります。見た目だけでなく、ズレ落ちてくるメガネは頻繁にクイッと上げないといけないので、煩わしいです。
スクエア型のようなカッチリしたフレームだと、通常の掛け位置がスマートです。
メガネをやや下げ目に掛けると、いい感じの雰囲気になることもあります。
- いかついフレームの場合、怖さが強調される
- ボストン型の場合、ユルい雰囲気を醸し出せる
顔の形とメガネの形の相性
メガネの形状によって相手に与える印象が異なります。それぞれの形には個性があり、掛けるとその個性を身にまとうことになります。
それぞれのメガネが持つ個性を利用して、顔型別に似合うメガネを選ぶ方法があります。
メガネの形はざっくり分けると次の4つに分類されます。
- スクエア型
- オーバル型
- ウェリントン型
- ボストン型/ラウンド型
顔型別の似合うメガネの選び方を簡単にご紹介します。
顔型別の似合うメガネの選び方
「顔型×似合うメガネの形状」のセオリーは、お顔が「曲線的か直線的か」「長いか短いか」に分けて、輪郭とは逆の特徴を持つメガネをオススメする方法です。
コンプレックスを目立たなくするという点では役に立ちます。
顔型別のおすすめフレーム形状の一覧は次のようになります。
顔の形 | フレーム形状 |
丸顔 | スクエア/ハーフリム |
面長 | ウェリントン・ボストン |
三角顔 | ボストン・オーバル |
四角顔 | ボストン・オーバル |
丸い顔の人は丸みを打ち消すためにシャープなスクエア型がオススメとなり、三角顔の人はシャープさを打ち消すために、丸みを帯びたオーバル型やボストン型がオススメ、となります。
お顔と逆の特徴を持つメガネを掛けて、顔の特徴を目立たなくするのがコンセプトです。
なりたいイメージや見せたいイメージは人によって違うので、このセオリーはあくまで参考程度にするのが良いと思います。
顔型別の似合うメガネの選び方については次の記事で詳しく解説しています。
メガネと顔のパーツの関係
メガネと顔の形の相性ほかに、メガネと顔のパーツの関係も重要です。
特に眉毛と鼻の形はメガネをかけることでコンプレックスが際立つ場合があります。逆に、最適なメガネを選べば、コンプレックスを目立たなくすることも可能です。
ここでは、眉毛と鼻にフォーカスして解説します。
眉毛とメガネの関係
メガネをかけると眉毛が浮いたように目立ってしまうことがあります。メガネの形と眉毛のバランスを整えることで、一体感ある自然な見た目にすることができます。
ナチュラルに見えるためのポイントを2つご紹介します。
- 眉毛とメガネのトップラインが離れすぎていない
- 眉ラインとメガネのトップラインが合っている
眉毛とメガネの関係について詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。
鼻とメガネの関係
基本的に、鼻が大きい人はメガネが似合いやすい傾向があります。鼻が小さいとブリッジ周辺に空白が生まれてバランスが悪くなります。
鼻の大きさは、「メガネが似合う・似合わない」に影響します。
顔の中心は視線を集めるので、ブリッジ周辺のバランスは重要です。鼻が低い人は、ブリッジの幅が狭く、ブリッジの位置が高いメガネをかけると鼻筋が通って見えます。
また、メガネの下に枠がないフレームのほうが、鼻筋がきれいに見えます。
鼻とメガネの関係については次の記事で詳しく解説しています。
メガネが似合う髪型
メガネを掛けると、顔周りの印象が重くなりがちなので、次のような髪型がメガネと相性が良いです。
- ベリーショート
- ショート
- ミディアム/ウェーブや動きが控えめ
- ロング/後ろで髪をまとめている
どんな髪型でもメガネ周辺を重たい印象にしないことがポイントです。
下の画像のモデルさんのメガネの掛けこなしはスマートです。
前髪がメガネにかかっていると、暗い印象が漂うことがあります。
重ための黒縁メガネでも、前髪がないだけで印象が軽やかになります。
前髪を下ろした状態で、スッキリした印象にするポイントは次の2つ。
- 前髪の長さが眉にかかるくらい
- おでこが見えるくらい前髪が薄い
前髪を下ろした状態でプラスチックのメガネを掛けると子どもっぽくなったり、地味な印象になったりします。
ファッションやTPOに合わせたメガネ選び
メガネ自体はドレス寄りのアイテムですが、デザインによってはカジュアルな雰囲気が強いものもあります。
モード系ファッションにデミブラウンのプラスチックフレームを合わせると、カジュアル感が出てコーデの統一感が崩れることがあります。
メガネは服装のマナーほど厳しくないですが、見ている人は見ています。取引先に行く時や冠婚葬祭にサンダルを履いてスウェット姿で行けば、非常識な人間というレッテルを張られます。
メガネで損をしないためにも、相手に違和感を与えないようなメガネ選びも必要かもしれません。
- 奇抜なデザイン
- 主張の強い色
- 過度な装飾
オフィシャルなシーンやビジネスシーンでは個性の強いメガネは避けた方が無難です。TPOをわきまえていないメガネは、周囲に違和感を与えてしまいます。
極端な例ですが、左右のリムの形が異なるフレームや鮮やかなピンク色のフレームはフォーマルシーンでは服装にも周囲にも馴染みません。
派手な装飾が入ったフレーム、奇抜なデザインフレーム、ビビッドなカラーは避けた方が無難です。
選び方は実は簡単。スーツや礼服を着た時に違和感がないかをイメージするだけです。
メガネの色による印象の違いや自分の肌に合うメガネの色については次の記事で詳しく解説しています。
メガネの素材による印象の違い
メガネの素材によって相手に与える印象が異なります。なぜなら、素材自体が持つ「硬さ(ドレス感)」に違いがあるためです。
メタルフレームとプラスチックフレームの印象の違いをまとめました。
メタル素材のほうがドレス感があり、フォーマルなシーンに最適です。
メガネの素材の種類は主に次のようなものがあります。
素材によって質感が違い、相手に与える印象が変わります。同じプラスチックでもアセテートとTRでは、高級感が全然違います。
それぞれの素材については次の記事で詳しく解説しています。
メガネが似合わない理由
メガネが似合わない原因は、「メガネの購入頻度の低さ」と「メガネに対するネガティブな感情」が関係しています。
具体的には次の3つが原因として考えられます。
- 頻繁に買うものではないので、選ぶ基準がわからない
- 見慣れていないので、デザインや品質の違いがわからない
- メガネが似合わないと諦めて、適当に選んでいる
メガネの購入頻度が低い
メガネ屋さんに数年に1回しか行かない人が大多数です。メガネを見慣れていないので、細かいデザインの違いの見分けがつきません。
購入して失敗した経験も良かった経験もどちらも少ないので、自分の中でメガネを評価する確固たる基準がないう人も多いと思います。
メガネを選ぶ基準がないことが失敗する原因です。「メガネのサイズ感」と「それぞれの形のメガネが持つ特徴」を意識して、この記事で紹介したセオリーを軸にメガネを選ぶと、似合うメガネが見つかりやすいです。
メガネに対する感情的な問題
もう一つは、メガネに対する感情的な問題です。特に女性の半数近くがメガネにネガティブなイメージを持っています。
「嫌いだけど、必要だから渋々かけている」「どうせ家でしか使わない」「どうせ似合わない」という気持ちがあるので、メガネ選び方が雑になっていることがあります。
メガネ屋で働いていたときに感じていたことですが、特にこだわる様子がなく、適当にメガネを選ぶ女性は多いです。
メガネが好きな人は、圧倒的に男性が多いです。メガネで盛れる要素(誠実で知的など)があるので、男性はじっくりメガネを選ぶ傾向があります。
似合うメガネが見つかるお買い物方法
メガネ屋さんでたくさん試着しても、「しっくりくるものが見つからない」「同じような形しか似合わない」と感じることがあります。
実はこれ、見慣れていないだけで、実は似合っているケースもあります。
新しいメガネをかけたときの違和感は、髪を短くしたときに感じる違和感と似ています。
自分の顔の変化には敏感になりがちです。友人や恋人、家族と一緒にお買い物をすると、客観的な判断をしてくれます。自分のことをよく知っている人が、メガネ姿に違和感を感じていないのであれば、似合っていると思って大丈夫です。
「性格や雰囲気に合っているか」まで見てくれるので参考になります。
顔とメガネは合っているけど、雰囲気と合っていないケースもあります。雰囲気と合っていないと、相手に違和感を与えることも。
1人でお買い物する場合は、店員さんに話しかけて、アドバイスをもらいましょう。
「好みのメガネ」と「なりたい雰囲気」を伝えれば、いい感じのメガネを提案してくれます。何本か掛け比べたり、おしゃべりしているうちに、ピッタリのメガネを提案してくれるはずです。
まとめ
今回はナチュラルに見えるためのメガネ選びのセオリーをご紹介しました。
ここで紹介した内容はあくまでメガネ選びの基本です。メガネ選びは洋服選びと同じように自由で楽しいものです。
とはいえ、メガネはインパクトの強いアイテム。手軽に自分の思うイメージになれる一方、ファッションを台無しにすることもあります。
セオリー通りにメガネを選べば、失敗する確率は下がります。それぞれのメガネの形が持つ印象を知ることでメガネ選びの幅が広がるかもしれません。
「メガネが似合わない」と感じている人が多いですが、メガネの種類はたくさんあるので、探せば似合うものが必ず見つかると思います。