
- チタンのメガネは折れる?
- チタンのメガネはアレルギーフリー?
- βチタンのデメリットは?
- 形状記憶合金とは何なのか?
高品質な鯖江のメガネの代表的な素材がチタン。鯖江のチタンの精密加工技術は、世界のメガネ産地より優れています。
一口にチタンと言っても、たくさんの種類があり、それぞれ素材の特性が異なります。
この記事では、チタン・βチタン・ニッケルチタン合金のメガネフレームの特徴、メリット・デメリットを解説します。

メガネに使われるチタンの種類

チタンは混ぜる金属の種類や比率によって、様々な特性を獲得します。
メガネに使われる代表的なチタンは3つあります。
- チタン
- βチタン
- ニッケルチタン合金(形状記憶合金)
チタンのメガネのメリット・デメリット

日本製のチタンフレームのメガネを選べば、間違いないという程の安心感があります。海外ブランドのチタン製フレームも鯖江で作られることが多いです。
チタンのメガネのメリットとデメリットをまとめました。
チタンフレームのメガネのメリット
鯖江で培われたチタン加工やメッキの技術力が高く、とにかくハイクオリティー。「日本の眼鏡=高品質」と海外から品質を認められています。
素材自体が非常に軽く、金属疲労が起こりにくいのでとても丈夫です。強度が高いので、細いデザインが可能です。
程よい弾力性がり、カチッとした掛け心地が好みの人から人気。メガネに使われる金属の中で最も錆びにくい・腐食しにくい素材です。
チタンフレームのメガネのデメリット
チタンフレームが登場した30年ほど前は、不良が多かったそうです。10年くらい前は不良がたまにありましたが、最近は、不良の頻度がすごく減りました。
メガネに最適化された、改良チタンは丈夫で、滅多に壊れません。チタン製メガネのテンプル(つる)が折れることは、ほぼありません。
強いてデメリットを挙げると、中国製の場合、リム(レンズを囲う枠)が切れたり、パーツの接合部が外れたりするトラブルが起きる可能性があります。

チタンフレームは、デザインが細いこともあり、安いメガネに使われるニッケル合金より不良発生率が高めです。
チタン=ニッケルフリーではない
ニッケルフリーと謳うにはメッキにもこだわらないといけません。純チタンであっても下地メッキにニッケルが使用されていることがあります。

ニッケルフリーを謳うには、下地メッキに純パラジウムを使う必要があります。
中国製のチタンフレームの品質は?
日本の材料メーカーの代理店が中国にあります。ですので、ある程度の価格で販売されているチタンフレームは中国製であっても日本製のチタンを使っています。
安い中国製のチタンフレームの場合、中国の工場が現地で手配した「チタン」を用いて製造します。チタンなのにβチタンのように柔らかいことがあったり、強度が低く、チタンなのに折れることがあります。
βチタンのメガネのメリット・デメリット
流行りの細身のデザインを支える新素材。チタンにアルミニウム6%、バナジウム4%を混ぜたチタン合金です。
眼鏡メーカーやメガネチェーン店は、「○○チタン」「○○ベータ」とオリジナルの名前をつけています。独自開発のものありますが、だいたいβチタンと同じような特性を持っています。
βチタンのメガネのメリットとデメリットをまとめました。
βチタンのメガネのメリット
NT合金のようなバネ性とチタン以上の強度を誇ります。
耐食性の低いニッケルを含んでいないので、NT合金の上位互換。価格が同じくらいなので、わざわざNT合金を使う必要がなくなりました。
チタンの軽さはそのままに、超弾性を実現。すごく丈夫なので、細くても強度を保てるのが強み。スキニーなテンプルに使用されることが多いです。
眼鏡市場の「ゼログラ」がβチタンの性能を体感するのにピッタリ。掛けていないような掛け心地で、今までのメタルフレームのイメージを覆します。
βチタンのメガネのデメリット
βチタンは、眼鏡フレームを作るために生み出されたような金属です。デメリットは特にありません。
強いてデメリットを挙げるとすると、合金やステンレスよりカラーバリエーションが少ないこと。
また、滅多に起きない事例ですが、βチタンはチタンよりも高度な加工技術が求められ、細くしすぎると加工が難しくなり、トラブルが起きることがあります。
リム(レンズを囲う枠)の内側にレンズを固定するための溝が彫られてるのですが、この溝が真っすぐでないと、レンズを外した瞬間にリムがグニャグニャに曲がり、形が復元できないことがあります。
形状記憶合金のメガネの特徴
ニッケルとチタンを半々に混ぜた合金を形状記憶合金と呼びます。NT合金(ニッケルチタン合金)と表記されることもあります。
主にテンプルに使われる素材です。βチタンが台頭したことで、NT合金を使用したフレームは減りました。

同じ特性を持ち、ニッケルが含まれていないβチタンのほうが人気です。
バネ性が高く、柔らかい掛け心地が特徴。価格は、βチタンと同じくらいです。
NT合金(形状記憶合金)のメリットとデメリットをまとめました。
まとめ

今回は、チタン系素材のメガネの特徴を解説しました。
トラブルが多いステンレスやニッケル合金のメガネと比べて値段が高いだけあって、チタンとβチタンには、これといったデメリットはありません。
チタンの種類やチタンの製造国によって、耐久性が大きく変わり、価格による性能差が出やすい素材です。
値段が2万円を超えてくると、ウルテムやTR90より掛け心地が良いフレームが見つかります。