
TR90は、「ティーアールきゅうじゅう」と読みます。ポリアミド系樹脂の一種で、TR90は商標です。
JINSの「エアフレーム」に採用され人気となり、今ではメジャーな素材になりました。
この記事では、TR90の素材の特徴とデメリットを解説します。

メガネのTR90素材の特徴

TR90は、ペレットと呼ばれるプラスチック樹脂の粒を溶かして、型に射出して成形するインジェクションという手法で製造されます。

メガネに求められる特徴をたくさん持っている優秀な素材です。価格の割に性能が良く、お家メガネとして最適です。
TR90のメガネのメリットとデメリットをまとめました。
TR90のメガネのメリット

TR素材のメガネのメリットをそれぞれ詳しく解説します。
快適な掛け心地
TR素材は、価格が安く、軽くてしなやかなので、ストレスなく掛けられます。
テンプル(つる)の表面が丸みを帯びていることが多く、アタリが柔らかく、ソフトな掛け心地です。
トラブルが少ない
素材自体に粘りがあるため、リム(レンズを囲う枠)が切れたり、テンプル(つる)が折れたりといった破損が滅多にありません。レンズを外して、3回くらいフロントをねじっても切れません。テンプルを折るのは一苦労。1方向に90度以上曲げて、反対方向に曲げてを何度も繰り返してもなかなか折れません。粘りがあって曲げに強いです。
熱に強い
熱にも強く、サウナ用メガネやお風呂メガネにも、TR-90が採用されています。耐熱温度は約80℃〜100℃。
発色が綺麗でプリント柄が映える
透明度が高く、発色が綺麗で、テンプル内側の柄やデザインが映えます。Zoffのディズニーコレクションの樹脂テンプルの素材はTRで、プリントがとても綺麗です。
劣化・変形しにくい
劣化しにくく、寿命が長いです。形状記憶の性質があり、変形しにくい素材なので、快適な掛け心地が長く続きます。
安全性が高い
TR90はスイスの医療器具メーカーによって開発され、医療用カテーテルや、哺乳瓶などにも採用されています。日本食品衛生法にも合格している安全性が高い素材です。

金属や耳あてのラバーでかぶれる方は、金属を一切使っていないオールTR-90のフレームがおすすめ。オールTR-90のフレームは、耐久性は低く、調整ができないというデメリットがあります。
TR90のメガネのデメリット
基本的に、破損リスクは少ない素材ですが、TR-90にもデメリットがあります。
たまに、「クリングス(針金のような鼻の部分のパーツ)の破損」と「塗装/コート剥げ」が起こります。
クリングス(鼻の部分)の破損
以前はクリングスの破損が結構ありました。
素材自体が柔らかいので、クリングスがぐらついたり抜けたりするトラブルが以前はありました。今は2か所で留めているため、このトラブルは減りました。1本で留めているタイプには注意が必要。

塗装/コート剥げ
材料に塗料を練り込んだタイプと成型後に塗料を吹き付けるタイプの2種類あります。
塗装タイプは、ベトッとペンキで塗ったようなチープ感が漂います。しかも、塗装が剥がれやすいです。

自分でレンズを無理やり外すと、塗装が剥がれることも。
TR90のメガネフレームの製造国は?
ほぼほぼ中国製です。最新の機械を導入しているので、品質レベルが高いです。
今は、日本で作っているメーカーはありません。製造する機械が古すぎて、綺麗に作れないどころか、ゴミや気泡がいっぱい混入して不良品ばっかりになります。

10年くらい前は、ほんの一部ですが、テンプルだけTR素材の日本製メガネがありました。その当時から、日本製の価値はなく、中国製品に品質で劣っていました。
TR90は安いからダメな素材?

安いので、低品質と思われがちですが、大量生産に向いていて低コストで製造できるというだけで、ダメな素材ではありません。
高級フレームに使われるオプチルという素材と同じ質感と掛け心地です。
TR素材には、「安価な格安メガネ」という悪いイメージがつきまとい、TRという表記は避けられています。

響きのいい「Swiss Technology」と書かれている商品は、TR素材の場合が多いです。
まとめ
この記事では、TR素材について解説しました。
デメリットはありますが、必要十分な機能を備えたコスパに優れた素材です。
Zoffのディズニーコレクションの5,500円のTR素材のフレームは、掛け心地が良く、柄がとても綺麗で、同価格帯では、業界トップクラスの品質です。TR素材の魅力が詰まっています。