メガネのネジは使っているうちにゆるくなってしまいます。とくにメガネの開閉部分のネジ(蝶番ネジ)は、ほかの箇所にくらべてゆるみやすい傾向があります。
開閉部分のネジ(蝶番ネジ)がゆるむと、テンプル(つる)がパタパタして掛け心地までゆるくなります。
ネジのゆるみをほっておくと、最終的にはネジが抜け落ちてしまうことも。
ネジがなくなると、メガネをかけられなくなるので、定期的にネジを締めることは重要です。
今回はメガネのネジを自分で締めるコツや緩みが直らない原因と対処法を解説します。あわせて眼鏡屋さんでメガネのネジを締めてもらうときの料金をご紹介します。
メガネのネジの締め方
メガネのネジは小さいので、ネジを締めるためには精密ドライバーが必要です。
通常のドライバーを使うとネジの溝をつぶしてしまう恐れがあります。
精密ドライバーさえあれば、メガネのネジを締めることはむずかしくありません。
ただネジを締めるときに注意すべきポイントが3つあります。
- ドライバーとネジ溝のサイズを合わせる
- ゆっくりまっすぐ回す
- レンズに傷をつけないようにする
メガネのネジの締め方の注意点をくわしく解説していきます。
ドライバーとネジ溝のサイズを合わせる
サイズが合っていないドライバーは外れやすく、ドライバーが滑って刃先がレンズやフレームにぶつかり、傷をつけてしまう恐れがあります。
メガネのネジに最適なドライバーのサイズは「#00」と「#000」です。
次の記事でオススメのメガネ用ドライバーをご紹介しています。
ドライバーとネジのサイズが合っていない場合、ネジ溝がつぶれて、ネジが抜けなくなってしまうことも。
ネジの十字の溝を傷めないように、押し7、回し3の力配分でネジを回すのがポイントです。
ドライバーを回す力が強すぎると、
- ネジ溝がつぶれやすい
- ドライバーがネジ溝から外れやすい
というデメリットがあります。
ネジをまっすぐゆっくり回す
ネジを速く回すと、ネジとメガネ側のネジ穴が摩耗します。ゆっくり押し込むように回すようにしましょう。
また、ドライバーがななめになるとネジ溝がつぶれてしまうので、ドライバーとネジは一直線になっていないといけません。
下の画像のようにドライバーのてっぺんを手のひらに当てて、指でクルクル回します。
グラつかずにまっすぐネジを回すコツは次の3つ。
- 手首を固定する
- 手のひらで「押す」
- 指で「回す」
ドライバーの軸を指でにぎって、指で「押す」「回す」の2つの動作をするとドライバーがブレやすくなります。
精密ドライバーはヘッド部分が独立しています。軸を回してもヘッドは回転しないので、まっすぐ力を加えることができます。
指の力で押しながら回さないといけないので、ミニドライバーでメガネのネジを締めるのは結構むずかしいです。
ドライバーの扱いに慣れている人なら問題ないでしょうが、ネジ締めが苦手な人はネジ溝をつぶしてしまうかもしれません。
レンズに傷をつけないように注意
ドライバーの刃先がレンズに当たらないように注意しましょう。レンズは一度傷がつくと修復できません。
下の画像のように、万が一ドライバーが滑っても自分の指に当たるようなメガネの持ち方をしましょう。
鼻パッドのネジを締める場合、親指でレンズを覆うようにするのがポイントです。
中国のネジは柔らかいことが多く、ドライバーを回して最後まで閉めた瞬間に、ドライバーがネジ溝を削ってはずれてしまうことがあります。
ネジを交換しても、ネジの緩みが直らない原因と対処法
ネジを交換してもネジのゆるみが直らないケースがあります。
- フレーム側の金属の摩耗
- 蝶番ワッシャーの摩耗
- 蝶番のかみ合わせが悪い
上記のようなフレーム本体に問題がある場合、ネジ交換だけでは直りません。
原因①フレーム側の金属の摩耗
メガネの開閉によりフレームの蝶番が摩耗している場合、ネジがゆるみやすく、テンプルがパタパタすることがあります。
原因②蝶番ワッシャーの摩耗
ワッシャーとは真ん中のコマに挟んである円状の薄い金属部品のこと。ワッシャーにはスムーズな開閉と蝶番部分の摩耗防止の役割があります。
ワッシャーが摩耗していると、ネジを締めてもテンプルのパタツキが直らないことがあります。
原因③蝶番のかみ合わせが悪い
メガネを踏んでしまったりしてフレームに衝撃が加わった場合、蝶番のコマが歪んでしまっていることがあります。
蝶番のかみ合わせが悪いと、ネジを締め直してもテンプルのパタツキが直らないことがあります。
対処法
ネジを交換してもゆるみが直らないからといって、ネジを力いっぱい締めるとネジ頭がつぶれてしまいます。
困ったときはメガネ屋さんに相談しましょう。メガネ屋さんにはさまざまな種類のネジや専用のペンチなどの工具があるので、うまく直してくれますよ。
メガネ屋さんに行けば、次のようなの対応によって調整してくれます。
- 緩みにくいネジに交換
- 太めのネジに交換
- 金属ワッシャーの交換
- 丁番かみ合わせの調整
メガネ屋さんでメガネのネジ締めの料金
メガネのネジを締めたい場合、メガネ屋さんに行くのがベストです。ネジ締めだけでなく型直しなどのメンテナンスを同時にしてくれます。
たいていのフレームの場合、無料でネジを締めてくれます。ネジを紛失した場合も、新しいネジを無料で取り付けてくれます。
他のショップで購入したメガネでも、無料で対応してくれることが多いです。
どのメガネ屋さんもいろんなネジをストックしていますし、日本製のネジを採用しているので、一度交換すれば当分の間、ネジのゆるみの心配はありません。
メガネを購入してから数年たっていて、購入店に行きづらいと気をつかう人もいるでしょうが、たいていのメガネ店は来店を歓迎してくれます。
有料になるケースとは?
メガネのネジ締めが有料になるケースがいくつかあります。
- 特殊な蝶番ネジの場合
- ネジ溝が潰れている場合
- フロント側に問題がある場合
特殊な蝶番ネジの場合
特殊な蝶番ネジを紛失している場合、500円~1,000円ほどかかることがあります。
特殊なネジとは下の画像のようなネジのことです。
上下でとめるネジはメーカーによってサイズが異なるため、メガネ屋さんが在庫を持っていないことも。その場合、メーカーからの取り寄せになり納期が1週間ほどかかることがあります。
ブランドロゴがあわらわれたネジの場合、1,000円以上することもあります。
ネジ溝が潰れている場合
上の画像はオリバーピープルズのネジ。中国製の柔らかいネジはネジ山が簡単につぶれます。ネジ山がつぶれている場合、専用の工具がないとネジを抜けません。
ネジを抜くのは「修理扱い」になり、有料になります。
ショップによってちがいますが、ネジ抜き修理は2,000~3,000円くらいかかります。
ショップで対応できず修理工場に送る場合、納期が1週間以上かかることも。
フロント側に問題がある場合
フロントの2枚のコマとテンプルの1枚のコマのうち、ネジをとめるための溝が切られているのはフロント側の下のコマだけです。
フロントのコマの内側に切られた溝が摩耗している場合、ネジを交換してもネジのゆるみやパタツキが直りません。その場合、フロントを新しいものに交換しないといけません。
フロントの価格はフレーム本体の半額が相場となっています。
鼻パッドのネジについても同じです。ネジを交換してもネジが空回りする場合、鼻パッドとフロントをつなぐ針金先端のボックスに切られた溝が劣化している可能性があります。
まとめ
今回はメガネのネジの締め方やゆるみが直らない原因、メガネ屋さんでネジを締めてもらうときの料金について解説しました。
メガネのネジは小さいので、精密ドライバーが必要です。
精密ドライバーがあれば簡単にネジを締められますが、メガネを壊さないように注意しないといけません。
ネジを締めるのに慣れていない場合、メガネ屋さんで直してもらうのがベストです。ほとんどの屋さんは調整のために来店するお客さんを歓迎してくれます。
メガネ屋さんではネジ交換だけなら無料ですが、ネジ溝つぶれやメガネ本体に問題がある場合、有料になるケースがあります。