イタリアはメガネの産地として世界的な地位を確立しています。イタリアの眼鏡産業の歴史は古く、100年以上続く老舗眼鏡ブランドも存在します。
中国に次ぐ世界第2位のメガネの輸出国であり、輸出額は年間4,000億円を超えています。ちなみに日本のメガネの輸出額は200億円以下です。
イタリアには高級ブランドのメガネを製造するメーカーが数多くあり、イタリアの眼鏡メーカーは世界の高級メガネの市場を支配しています。誰もが知る有名ブランドはイタリア眼鏡メーカーによってライセンス製造されているケースが多いです。
今回は、イタリアの眼鏡メーカーとイタリアの眼鏡ブランドをご紹介します。
イタリアの眼鏡メーカー5選
さっそく最強のイタリア眼鏡メーカー5社をご紹介します。
- ルックスオティカ
- サフィロ
- マルコリン
- デリーゴ
- ティリオス
イタリアの眼鏡メーカーには2つのタイプがあります。
- ライセンス契約でブランドメガネを製造する眼鏡メーカー
- ブランドの子会社である眼鏡メーカー
5社を分類すると次のようになります。
「ルックスオティカ」「サフィロ」「マルコリン」「デリーゴ」がブランドと契約してメガネを製造するメーカー。
一方、「ティリオス」はルイヴィトンなどの高級ブランドを多く保有する「LVMH」の子会社の眼鏡メーカー。
それぞれのメーカーの保有ブランドを紹介していきます。
ルックスオティカ(ルクソティカ)
ルクソティカは、30以上のブランドを扱う世界最大の眼鏡メーカーです。売上が1兆円を超えており、業界で支配的な地位を確立しています。
欧米の一流ブランドとライセンス契約しており、取り扱いブランドが豊富です。
ライセンスブランドは次のような超有名ブランドばかり。
- BURBERRY
- BVLGARI
- CHANEL
- COACH
- DOLCE&GABBANA
- ARMANI
- MICHAEL KORS
- MIU MIU
- POLO
- Ferrari
- TIFFANY&CO
- VERSACE
日本では、CHANELのメガネが人気ですね。
レイバン、オークリーなどのメガネのみのブランドは買収して保有しています。
買収したブランドは次のようになります。
- レイバン(アメリカ)
- オークリー(アメリカ)
- オリバーピープルズ(アメリカ)
- アランミクリ(フランス)
- ペルソール(イタリア)
オリバーピープルズの人気モデルについては次の記事で詳しく解説しています。
純粋なイタリアのサングラスブランド「ペルソール」についてはのちほど詳しく解説します。
ルクソティカはメガネ・サングラスを製造するだけでなく、6,500店舗以上のメガネ店を運営しています。これほど大きな企業であれば、何でも思うようになる気がします。
たとえば買収したいブランドがあったとします。そのブランドの仕入れをストップして干上がらせてしまうことも可能です。ブランドが立ち行かなくなったときに、そっと手を差し伸べて買収という手法が使えそうです。
もしくは、競合店舗にレイバンを卸さないという戦術を取れば、競合店舗の売上と集客に大打撃を与えられます。
ライバルを力でねじ伏せられる力を持っています。
サフィロ
サフィロは、1934年に創業した歴史ある眼鏡メーカーです。
Gucciを長年ライセンス製造していましたが、2017年にブランドオーナーであるケリングにブランドを返しました。その後、ケリングは自前の眼鏡メーカー「ケリングアイウェア」を設立し、GUCCIのアイウェアを製造しています。
サフィロにとって「Gucci」を失ったのは痛手ですが、取り扱うライセンスブランドは今でも豪華です。
- kate spade
- BANANA REPUBLIC
- BOSS
- FOSSIL
- DAVID BECKHAM
- JIMMY CHOO
- LEVI’S
- MARC JACOBS
- pierre cardin
- TOMMY HILFIGER
- ISABEL MARANT
グッチがなくなったので、日本ではサフィロのメガネをあまり見なくなりました。
マルコリン
マルコリンは、トムフォードを取り扱うようになって一気に有名になった眼鏡メーカーです。
マルコリンは次のようなブランドとライセンス契約をしています。
- トムフォード
- アディダス
- BALLY
- BMW
- GUESS
- MAX MARA
- MAX&CO
- MONCLER LUNETTES
- TIMBERLAND
- BARTON PERREIRA
中でもトムフォードは別格の人気を誇ります。トムフォードはレイバンの次に人気のあるブランドにまで成長しました。
トムフォードはもともとアート系の奇抜なデザインが多かったですが、今はシックなデザインに変貌を遂げました。
トムフォードの人気モデルについては次の記事でくわしく解説しています。
日本では、メガネスーパーの関連会社がマルコリンの総代理店になっています。
デリーゴ
デリーゴは、自社ブランド「POLICE」で有名な眼鏡メーカーです。
デリーゴの取り扱うライセンスブランドは次のようになります。
- FURLA
- LANVIN
- RODENSTOCK(ドイツの眼鏡ブランド)
- TUMI
「メガネとして人気」のブランドばかりですね。メガネ屋さんでよく見かけます。
もともと日本の眼鏡商社がFURLA、LANVIN、TUMIをライセンス製造して日本で販売していましたが、世界的な眼鏡メーカーであるデリーゴにライセンスが移行しました。
ほかにも、老舗眼鏡ブランド「LOZZA」を展開するメーカーと経営統合して、ブランドを獲得しています。「LOZZA」についてはのちほど解説します。
ティリオス(LVMHの直営メーカー)
ファッション業界最大手の企業「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」が眼鏡を自社生産するために2017年に設立した眼鏡メーカーが「ティリオス」です。
さきほど紹介したマルコリンとの合同会社です。
ティリオスの取り扱いブランドは、世界中の誰もが知っているようなブランドばかりです。
- LOUIS VUITTON
- Dior
- GIVENCHY
- FENDI
- LOEWE
- CELINE
ルイ・ヴィトンに関してはメガネ店では取り扱っていません。ルイ・ヴィトン直営店でサングラスのみ販売しています。
廃番になったDIORのサングラス「VOLUTE2F」はレイバンのウェイファーラーのように指名買いする人が多い人気商品でした。
そっくりなデザインのサングラスがAmazonで販売されています。
純粋なイタリアの眼鏡ブランド3選
ここではアパレルが中心のブランドではない、純粋なメガネブランドをご紹介します。
イタリアの眼鏡ブランドで特に有名なのは次の3つです。
- POLICE
- ペルソール
- ロッツァ
POLICE
イタリア眼鏡ブランドといえば、「POLICE」というイメージがあります。手の届きやすい価格設定が人気の理由の一つです。
これまでにネイマールやベッカムを広告に起用したこともあり、ヨーロッパでは知名度が高いです。
日本でもメガネ屋さんでよく見かけますね。都会的な雰囲気があってオシャレです。
PERSOL(ペルソール)
ペルソールは1917年創業の老舗サングラスブランドです。レイバンと同じくらい長い歴史があります。
ペルソールの特徴として挙げられるのは、フロント両サイドの矢型のメタル飾りです。見る人が見ればすぐにペルソールだとわかります。
上の画像のような折りたたみ式のサングラスを多く取り揃えています。折りたたみ式のModel714やModel649はペルソールの代表的なモデルとして人気です。
LOZZa(ロッツァ)
ロッツァは、1878年創業のイタリア最古の眼鏡ブランドです。5本のラインがブランドを象徴するデザインです。クセのないボストン型やウェリントン型が中心のラインナップになっています。
ロッツァはただ歴史が長いだけではありません。賞の受賞歴もあり、眼鏡業界では一目置かれる存在です。
イタリア政府によって、歴史的に重要なブランドにのみ与えられる「Marchio Storico(マルキオ・ストーリコ)」に認定されています。
また、アメリカファッション協議会が主催する「CFDAファッションアワード」を受賞したこともあります。
【まとめ】イタリアの眼鏡ブランドとイタリア眼鏡メーカーについて
今回は、イタリアの眼鏡メーカーとイタリアの眼鏡ブランドを紹介しました。
イタリアの老舗眼鏡ブランドである「ペルソール」と「ロッツァ」は、伝統と歴史を感じる憧れのブランドです。クラシカルなデザインを守りつつ、時代に合わせて進化し続けています。
ライセンスブランドは、イタリアの眼鏡メーカー4社「ルクソティカ」「サフィロ」「マルコリン」「デリーゴ」によってほぼ独占的に製造されています。
取り扱いブランドは上記4社の間で行き来することがあります。一方、ティリオスは「LMVH」の保有ブランドのみ製造します。