- 遠近両用メガネを買うときに気を付けたいポイントは?
- はじめての遠近両用メガネって、どこで買えばいい?
遠くから近くまで1本で見ることができる遠近両用メガネ。
かけ外しや持ち運びのわずらわしさがないので、とても便利ですよね。
でも、最初はなかなか慣れにくいというのも事実。
また、遠近両用レンズの種類がとても多く、どれを選べばいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、遠近両用メガネをつくるときに失敗しないポイントや、自分に合ったお店の選び方をご紹介します。記事後半では、ショップごとにメリットとデメリットを解説しています。
遠近両用メガネのフレームとレンズの選び方
遠近両用メガネは選び方によって慣れやすさや使いやすさがかなり変わります。
でも、自分ひとりで選ぶのはむずかしいですよね。
ここでは使いやすい遠近両用メガネをつくるために気をつけたいポイントを、フレームとレンズの選び方に分けてそれぞれ解説します。
遠近両用メガネのフレーム選び
基本的にはどんなフレームでも遠近両用メガネをつくることは可能です。
しかし、使いやすさを考えた場合、いくつかの条件があります。
遠近両用メガネに適したフレームの条件は、おもに次の3つ。
- 縦幅が広い
- 横幅が狭い
- パッド(鼻あて部分)が調整できる
縦幅が広い
使いやすい遠近両用メガネをつくるときに、まず気をつけたいのはフレームの縦幅です。
なぜなら遠近両用レンズは、まっすぐ見ると遠くが見えてレンズの下の方で見ると近くが見えるようにできているから。
レンズの上下で度数に変化をつけているため、縦幅の狭いフレームだとレンズ下方の近用部(近くを見るところ)が無くなってしまうわけです。
また、縦幅の狭いフレーム用の遠近両用レンズは、累進帯(遠方部と近方部の間の少しずつ度数が変わっていく部分)が短く度数の変化が急になるため、違和感が強くなりやすい欠点もあります。
はじめて遠近両用メガネを使う場合などは、かなり慣れにくさを感じるでしょう。
大きすぎると不要な部分が多くなるデメリットもあるのですが、ある程度縦幅の広いフレームを選んだ方が使いやすくなります。
横幅が狭い
遠近両用レンズは構造上、側方部に歪んで見える部分があります。
横幅が広いフレームだと余計な歪みの部分が多く残るため、非常に使いづらいメガネになってしまいます。
縦の度数変化と横の歪みの部分は、遠近両用メガネが慣れにくいといわれる大きな理由ですね。
極端に縦幅が広く横幅の狭いものを選ぶ必要はないですが、できるだけ顔のサイズにあったフレームを選ぶと使いやすさがだんぜん上がります。
とはいえ、自分では判断しにくいと思うので、お店のスタッフにしっかり相談することをおすすめします。
パッド(鼻あて部)が調整できる
パッドが調整できるフレームはフィッティングがしやすくなり、メガネがズレずにしっかり掛けられます。
すると、レンズの位置もキッチリと決まりますよね。
遠近両用レンズは視線の通る位置がズレると、極端に見え具合いが悪くなり使ってられません。
フィッティングは遠近両用メガネを快適に使うために欠かせないポイントです。
とくにはじめての場合は、できるだけパッドが調整できるフレームを選びましょう。
遠近両用メガネのレンズ選び
遠近両用レンズは製造メーカーや設計の違いなどによって、種類がとてもたくさんあります。
また、累進レンズという括りなら中近や近近といった用途別でも多種多様です。
素人がピンポイントで選ぶのはまずムリ。
お店のスタッフにしっかりと用途を伝え、最適なレンズを提案してもらいましょう。
できれば実際にテスト用のレンズを掛けて見え具合いを確認し、そのレンズのメリット・デメリットを聞いてみるのもいいですね。
時間がゆるせば何種類か見比べてみるものおすすめです。
あと、レンズの種類をえらべるお店では値段もいろいろ。
高性能レンズはそれなりに工夫がしてあるのでより使いやすいのですが、高価なものだと10万円を軽く超えるものもあります。
あらかじめ予算もしっかり伝えたほうが無難ですね。
遠近両用メガネを買うときのお店選びのポイント
遠近両用メガネを買うときのお店選びのポイントは、結論から言えば「何を重視して選ぶか」です。
複雑になりがちな遠近両用メガネは、お店によって力を入れているポイントが違います。
平たく言えば「わかりやすさ」か「こだわり」か、ですね。
ここではお店選びのポイントとして次の点を中心に解説します。
- 料金体系
- レンズの選択肢
- スタッフの知識・技術
- フレームの品ぞろえ
自分の優先順位を考えてお店選びの参考にしてください。
価格・料金体系
メガネ屋さんによって遠近両用レンズの料金体系が異なります。
たとえば、眼鏡市場のような均一料金のお店では、追加料金0円でどんな遠近両用レンズもえらぶことができます。
JINSやZoffといった格安店では、遠近両用レンズの追加オプションは+5,500円~。
パリミキや愛眼といったメガネ専門店はスタンダードタイプの遠近両用レンズが無料でえらべます。
有料オプションのハイグレードタイプもあり、できあがりの価格は計算してみないとわかりません。
一人ひとりに合わせるという「こだわり」の分、どうしても料金体系は複雑になってしまいます。
レンズの選択肢
何度も書いていますが、遠近両用レンズというのはとてもたくさんの種類があり、それぞれ違いがあります。
遠近両用レンズを選ぶときに、一番わかりにくいところですよね。
格安店や均一料金のお店は、取り扱いレンズが数種類程度なので選ぶのはかんたんですが、逆に言うと選択肢があまりありません。
メガネ専門店など取り扱いレンズが多いお店は、とうぜん選択肢も多くなります。
選択肢が多い方が良さそうに思いますよね。
しかし、あまりにも選択肢が多いと複雑すぎて、まず自分では選べません。
結局、お店のスタッフに選んでもらうことになり、しっかりと説明を聞かないと納得感が薄くなったり、思わぬ予算オーバーになったりします。
どちらも一長一短ですよね。
ここでは少しでも自分で選べるように、遠近両用レンズの違いをかんたんに解説します。
遠近両用レンズの違いについて
設計によるグレードの違い
遠近両用レンズの一番わかりにくいところですよね。
でも、一番重要なところでもあります。
設計の違いといっても、さらに
- 累進設計の違い
- 内寄せ設計の違い
があり、それぞれの組み合わせで種類が膨大な数になります。
累進設計の違い
累進設計の違いとは、かんたんに言うと遠近両用レンズの欠点である「揺れや歪み」を補う工夫をどれだけしてあるのか、の違い。
外面や内面、両面・両面複合設計などがあり、技術の進歩で遠近両用レンズの使い心地が以前に比べて大きく改善された部分です。
内寄せ設計の違い
内寄せ設計の違いとは、遠近両用レンズの近くを見る部分の設計の違い。
近くを見るとき、眼は少し内側に寄りますよね。
この寄り目の量をキッチリ合わせることで、近くの見え方が格段に良くなります。
以前は内寄せ量が固定のレンズが多かったのですが、最近は度数や作業距離などの条件によって計算し変えられるレンズが増えました。
メーカーによる違い
遠近両用レンズを製造しているメーカーによる違いもあります。
国内メーカーではホヤ・ニコン・セイコー・東海光学の4大大手メーカーがあり、それぞれの考え方の違いで見え具合いの味付けが異なります。
使用目的による違い
累進レンズという点で考えると、遠近・中近・近近といった使用目的による種類の違いもあります。
また、最近ではスマホやタブレットなどの近くを長時間見る若年層に向けたアシストレンズなどもあり、さらに複雑さが増すことに。
スタッフの知識・技術
種類が豊富で複雑な構造の遠近両用レンズは、いろいろな面での知識や技術がないとお客さんに合わせることはできません。
度数の決定はもちろん、商品知識や正確な加工・調整技術、フィッティングの精度も高いものが求められます。
そのほか、お客さんのニーズを聞き出す接客・問診力も必要ですね。
この点に関しては、遠近両用メガネを数多く販売しているかの「経験値」がポイント。
メガネ専門店やコンセプトショップは客層的に遠近両用メガネを扱う機会が多く、長年販売してきた経験やノウハウの蓄積があります。
とうぜんスタッフの知識や技術も高くなります。(当たりハズレはありますが…)
仮枠を使った装用テストで遠近両用レンズに慣れそうかどうかを見極めてくれたり、適切なアドバイスをもらえたりします。
その点、客層が若めの格安店などは、どうしても遠近両用メガネを扱う機会が少なく、スタッフも経験不足になりがちです。
スタッフ自身も若い人が多いため、老眼で困っているお客さんのニーズを聞き出すこともむずかしいでしょう。
しっかりとカウンセリングして合わせることができるのか、ギモンが残ると言わざるを得ません。
遠近両用に最適なメガネの品揃え
基本的にはどんなフレームでも遠近両用メガネはつくれます。
しかし、先述したように遠近両用メガネに向いている玉型のフレームはあります。
その人の顔の大きさにもよりますが、縦幅・横幅の程よいサイズ(大きすぎず、小さすぎず)が数多く在庫しているお店がおすすめです。
また、格安店のメガネは細かなフィッティングができない素材のフレームが多いので注意が必要です。
ちなみに、遠近両用メガネにおすすめの人気ブランドは、シャルマンのラインアートシリーズ。
そもそものターゲットが遠近両用世代で、適度な大きさの玉型。
とても軽量で弾力性に優れたエクセレンスチタン素材を使用、長時間の装用でも疲れを感じさせません。
また、TONYSAMEやBJ CLASSICといったレトロモダンなフレームも、遠近両用レンズとの相性はいいですよ。
遠近両用メガネはどこで買うのがいい?
遠近両用メガネをつくるのにおすすめのメガネ屋さんを、タイプ別にメリット・デメリットをまじえて解説します。
自分の優先順位と照らし合わせて、お店を選ぶときの参考にしてください。
総合力で選ぶならパリミキやビジョンメガネなどのメガネ専門店
パリミキやビジョンメガネなどのメガネ専門店は遠近両用に限らずメガネ屋さん選びではかならず選択肢の一つになると思います。
メガネ専門店のメリットとデメリットは次のようになります。
メガネ専門店のメリット
メガネ専門店のメリットは、レンズの種類の豊富さとそれを扱えるスタッフが多く在籍している点です。
パリミキやビジョンメガネなどの長年営業しているメガネ専門店は、遠近両用メガネの取り扱い数が圧倒的に豊富で、知識や技術の蓄積がかなりあります。
遠近両用レンズは種類が多く、お客さん一人一人に合わせるためには知識や技術は必須。
また、正確なフィッティング技術がなければレンズのスペックを活かしきれなくなります。
さらに、アフターフォローや保証も充実している場合が多く、初めて遠近両用メガネをつくるときでも安心ですね。
とにかく自分に合った遠近両用メガネがほしい!という方にはメガネ専門店がおすすめです。
メガネ専門店のデメリット
デメリットはレンズの種類が豊富なので料金体系がどうしても複雑になってしまうこと。
価格差も大きく、組み合わせによってはできあがり価格が数万円から十万円を超えることも。
内容に納得できれば高性能なレンズでつくることをおすすめしますが、2万円くらいのレンズでもかなり快適にみえることもあります。
あらかじめ予算は伝えておいた方がいいでしょうね。
また、お店によっては、オシャレな今どきのフレームが少ないことも。
客層的に年配の方が多いお店では、品ぞろえも年配向けになりがちです。
若い人が格安店を利用することが多くなり、メガネ専門店は高齢者の割合が大きくなる傾向にあります。
遠近両用メガネは見え方やかけ心地は重要ですが、やはり「見られ方」も重視したいですよね。
どこのお店でも言えることですが、とくに遠近両用メガネは知識や技術の差で仕上がり具合が変わりますので見極めは重要です。
とにかく安く買いたいならJINSやZoffなどの格安店
JINSやZoffといった低価格ショップ。遠近両用メガネもリーズナブルな価格でつくることができます。
格安店のメリット
格安店では遠近両用レンズは+5,500円〜というお店がほとんどです。
取り扱いレンズも数種類程度でシンプルかつ低価格。
迷うことなく選べて予算も立てやすいのが最大のメリットですね。
とにかく低価格でつくりたい方や、ためしにつくってみようと考えている方にはおすすめです。
格安店のデメリット
取り扱いレンズの種類が少ないので、選びようがありません。
というより、自分にあったレンズを選んでもらえません。
何度も言うように、遠近両用レンズはホントにたくさんの種類があります。
それがほぼ選べないということは、ある意味既製品のメガネをなんとなくで合わせているような感じです。
とうぜんスタッフの「お客さんに合わせる」という意識も希薄になるでしょう。
遠近両用レンズの取り扱い経験も少なく、技術や知識が上積みされることもありません。
なので、しっかり使える遠近両用メガネをつくるには、ちょっと不安がぬぐえないと思います。
見え方にこだわるならコンセプトショップ
視力矯正を重視したコンセプトショップは、検眼にも力を入れています。
コンセプトショップのメリット
コンセプトショップはフレーム・レンズともにこだわりのあるメガネがつくれるお店です。
なので、遠近両用レンズもスタンダードタイプから高性能タイプまで取り扱っています。
また、検眼にも力を入れているお店も多く、知識や技術力も高いといえるでしょう。
こだわりのメガネをつくりたいときは、コンセプトショップはおすすめですね。
コンセプトショップのデメリット
こだわりのブランド商品を扱うコンセプトショップは、基本的に高額です。
フレームはもちろん、レンズの価格も割安な価格設定にはなっていません。
比較的リーズナブルなスタンダードタイプのレンズを用意しているお店もありますが、ほとんどの場合高性能レンズをおすすめされます。
商品自体は良いものなので、予算は多めに見積もっておいた方がよさそうですね。
また、取引しているレンズメーカーはそれほど多くないため、レンズの種類はあまり多くありません。
先述の通り、遠近両用レンズはメーカーごとに考え方の違いがあり、それぞれ特徴があります。
グレードはスタンダードからハイクラスまで選べるので、ある程度はお客さんに合わせることができますが、全体的にみると選択肢は少ないと言わざるを得ません。
何でも気軽に相談したいなら街のメガネ屋さん
街のメガネ屋さんはメガネを主に扱っているお店もあれば、時計や宝飾品、カメラなどがメインのお店もあります。
街のメガネ屋さんのメリット
地域に根差した営業をしている街のメガネ屋さんは、お客さんのほとんどが常連さん。
とうぜん昔からの顧客データがしっかり残っており、度数の変遷なども分かるため安心感があります。
自分の眼のことをよく知ってくれているお店というのは心強いですよね。
また、もともと技術力が高くて独立した店主が細かいところまでキッチリ仕事をしてくれるという、職人気質のお店もあります。
気やすく相談できるメガネ屋さんがある方は、じっくり相談して納得のいく遠近両用メガネをつくりましょう。
街のメガネ屋さんのデメリット
街のメガネ屋さんは大手量販店と比べると、同じ商品でも割高になります。
取り扱い量が少ないので、仕入れ価格などが高くなるのは仕方ないですよね。
また、お店の主力商品がメガネ以外(時計や宝飾品など)の場合、技術力が低かったり商品情報が古かったりすることも。
遠近両用メガネは繊細な合わせ方が必要な商品なので、できるだけ専門性の高いお店でつくりたいものです。
あと、なじみのお店ゆえに「合わなかったときのクレームを言いにくい」という欠点もありますね。
コスパを重視するなら均一価格のメガネ屋(眼鏡市場)
代表的なのは眼鏡市場。追加料金0円で遠近両用メガネをつくれるなど、わかりやすい料金体系でメガネをつくりやすくしたお店です。
眼鏡市場のメリット
一番の特徴は、なんといっても追加料金0円で遠近両用メガネがつくれる分かりやすい料金体系。
無料で選べる歪みの少ない遠近両用レンズも比較的新しい設計のため、使いやすさも悪くないレベル。
さらに、スタッフの技術や知識もそれなりにあり、フィッティングもしてもらえます。
格安店に比べると、ノウハウの蓄積の差をかなり感じます。
できるだけ低予算で、とりあえず「ちゃんとした」遠近両用メガネをつくりたい!という方には第一候補になると思います。
眼鏡市場のデメリット
わかりやすさや選びやすさはありますが、キッチリ合わせられるか(合わせてもらえるか)は、やっぱりギモンですね。
遠近両用レンズのことを知れば知るほど、種類の少なさはデメリットと言えます。
そのほか、眼鏡市場はフランチャイズのお店が多く、お店によって技術や知識のレベル差があるようです。
このあたりは街のメガネ屋さんのデメリットと似ているところですね。
【まとめ】遠近両用眼鏡は選び方によって仕上がりが変わる
遠近両用メガネは「選び方」によってできあがりの使いやすさが変わります。
フレームやレンズはもちろん、お店選びも重要。
この「選び方」のポイントをかんたんに言えば、
「わかりやすさ」か「こだわり」か。
低価格でシンプルな選択肢から選ぶなら、格安店や均一料金のお店など。
できるかぎり自分に合ったものを選ぶなら、メガネ専門店やコンセプトショップなどがおすすめです。
この記事を参考に自分の優先順位をしっかり考えて、納得のいく遠近両用メガネをつくってください。
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