- ラクにパソコンの作業ができるメガネってあるの?
- パソコン用にメガネをつくるときに気を付けることは?
- 家用・デスクワーク用など度数の違うメガネを使い分けも大丈夫?
デスクワークはもちろん、ゲームや音楽などの分野でも欠かせないのがパソコン。
しかし、パソコンを長時間使うと眼が疲れてきます。
そこで今回は、長時間のパソコン作業でも眼が疲れにくいパソコン用メガネについて、
- そもそもなぜ眼が疲れるのか?
- パソコン用メガネの度数の決め方
- パソコン用メガネをつくるときに店員さんに伝えるポイント
といった点を中心に解説していきます。
パソコン用メガネとは?
パソコン用メガネとは、その名の通り「パソコンがラクに見えるメガネ」のこと。
パソコン用メガネは、パソコンを長時間使っても眼が疲れにくいように度数を下げてつくります。一般的には普段のメガネより2~4段階ゆるめた度数に設定します。
よほど老眼の影響が強くないかぎり「パソコンモニターの文字がボヤけて見えない!」ということはほとんどないですよね。
ただ、見えるけれど長時間見ていると疲れてくる。
そんなときに必要なのがパソコン用メガネです。
そもそもパソコン作業はなぜ疲れる?
パソコン作業で眼が疲れる理由はいくつか考えられます。
- モニターからの光の刺激
- 凝視するためまばたきの回数が減少
- 作業中は常に眼が緊張状態
その中でも疲れの原因として最も影響が大きいと考えられるのは「作業中は常に眼が緊張状態」になるからです。
通常、メガネは遠くにピントを合わせて度数を決めるのが一般的。
黒板や道路標識など遠くのモノを見ているときには、眼はラクな状態でピントが合います。
つまり、遠くのモノは長時間見ていてもあまり疲れません。
しかし、遠くがよく見えるメガネで近くのモノを見るとき、眼の中では毛様体筋という筋肉を緊張させてピントを合わせます。
筋肉は短時間の緊張だと疲れませんが、長時間緊張させ続けるとさすがに疲労しますよね。
腕を上げてもたいして疲労しませんが、長時間上げ続けると疲れてくるのと同じ理屈です。
この毛様体筋を緊張させてピントを合わせる力を「調節力」といいます。
パソコンモニターは眼からの距離が近いため、ピントを合わせるために調節力が必要。毛様体筋が緊張して水晶体をふくらませます。
仕事などで長時間見続けると、調節力を使い続けることになるので眼は疲れてきます。
メガネの度数をどのくらい弱める?
ここではある程度の近視の度数を例にパソコン用メガネの度数はどれくらい弱めたらいいのかについてを解説します。
長時間のパソコン作業での疲れの原因は、調節力を使い続けるからでした。
ということは、調節力をあまり使わずにモニターの距離にピントが合うよう度数を弱くすれば、疲れにくくなります。下の画像の②のようなメガネです。
近視の人なら、眼の度数が進んで使っていたメガネの度数がゆるくなり、部屋の中なら使えるけど、遠くが見ずらくなった経験はありませんか。
近視の度数がゆるくなったメガネは、遠くはボヤけますが近くにはピントが合います。これは、メガネをかけた状態でも矯正不足で少し近視が残る状態になるからです。
パソコンモニターにピントを合わせたメガネの度数
計算上、遠くにピッタリ合っている度数から近視を7~8段階下げると、パソコンモニターの距離(50~60㎝)に合います。
ただ、近視を7~8段階下げると、パソコンモニター以外のところが見えづらくなってしまします。このため、遠くにピッタリの度数から2~4段階下げてつくることが多いです。
2~4段階弱めたメガネは、パソコンモニターを見るには多少の調節力が必要ですが、眼にかかる負担はかなり少なくなるので長時間使っても疲れにくくなります。
度数を7~8段階弱めたメガネがオススメなシーン
パソコンモニターにピントを合わせたメガネはeスポーツなどでつかうには良さそうですよね。競技中はほぼ100%パソコンモニターしか見ないので。
パソコン用・家用・デスクワーク用に度数を下げたメガネの作り方
パソコン用メガネは「パソコンモニター以外に何を見ているのか?」が度数を決めるうえで重要なポイントになります。
パソコンモニターだけに度数を合わせると、「周囲のモノ」が見えづらくなります。
たとえば、オフィスで自分のデスクからホワイトボードが見えづらかったり、来社されたお客さんの顔が判別しにくいなんてことも起こりえます。
自分では気づいていないことも多いのですが、通常、パソコンを使った作業をしていても、無意識に周囲を見ているものです。
なので、パソコン用メガネをつくるときのポイントは、店員さんに実際に使うときのシチュエーションをくわしく伝えることです。
家用のメガネやデスクワーク用のメガネをつくるときも同じです。
実際につかうときのシチュエーションをくわしく伝えると、だいたいどの距離まで見るのかを店員さんがイメージしやすくなります。
たとえば仕事で使う場合でも
- 100%座ってのデスクワーク
- カウンター越しに接客
- レジ打ちなどの立ち仕事
など、環境はいろいろ。
パソコン作業をするときの部屋の大きさや店内のようすなどを伝えたほうがいいですね。
よくわかっている店員さんなら、自分が気づいていなかったことでも適切にアドバイスしてくれますよ。
検眼時に仮枠などを使って見え方を確認し、実際に使うシチュエーションをイメージしながら店員さんと相談して度数を決めましょう。
メガネの度数の選択を失敗したケース
たまに、「パソコンがラクに見えるメガネがほしい」とだけ言われて、それ以外は何の情報も教えていただけないお客さんもおられます。
先述の通り、パソコンモニターだけがラクに見えるメガネをつくることはかんたんです。
しかし、出来上がったメガネを納品してすぐに「見えない!」とクレームになるケースもあります。
よくよく聞くと、スーパーマーケットのレジ打ちのお仕事をされているとのこと。
「レジの端末はよく見えるけど、それ以外は見えない!」
それは、そうですよね…。スーパーマーケットは広いですしね…。
仕事内容を教えていただければ、使用環境をイメージしてもっといい提案ができたのになと思います。
度数の違うメガネを使い分けても大丈夫?
「度数のちがうメガネを使い分けるのは、眼によくないのでは?」と考える人もいるようですが、結論からいうと「まったく問題なし」です。
むしろ、パソコン用メガネのように用途によって複数のメガネを使い分けることは、眼にとって非常によいことだと考えます。
なぜなら、用途別のメガネは眼の極端な使い方をカバーするものだから。
たとえばパソコンを見ること自体はもはや日常。
ですが、長時間のパソコン作業は普通の眼の使い方からすると、ちょっと特殊ですよね。
眼に近い距離で長時間モニターを見続けるわけですから。
一般的なメガネ(遠くがよく見える)を特殊な用途に使うと、どうしても無理が生じて負荷がかかります。
だから疲れるわけです。
特殊な用途には、それ専用の度数に合わせたメガネを使い分けるほうが眼には余計な負担をかけません。
積極的に度数のちがうメガネを使い分けるべきだと思います。
度数の違うメガネを使い分けるデメリット
あえて度数のちがうメガネを使い分けるデメリットをあげるとすれば、かけ替えがめんどくさいことくらいでしょうか。
ほかにも、慣れるまでに時間がかかることがあるかもしれません。
何でもメリット・デメリットはあるものです。
眼の負担を軽減するために度数のちがうメガネを使い分けることは、メリットがデメリットを上回ります。
めんどくさくなければ、ぜひ複数のメガネを使い分けてみてください。
まとめ
今回は、パソコン用メガネの度数について解説しました。
度数を下げたパソコン用メガネは、近くにピントを合わせる力が少なくなるので、疲れにくくなります。
パソコン用にかぎらず、家用メガネやデスクワーク用などの用途に合わせたメガネをつくる場合、使用環境などを店員さんにくわしく伝えて合わせてもらうのがベストです。
この記事では、ある程度の近視度数の方(S-3.00以上 乱視の有無は不問)を例に解説しましたが、遠視やゆるい近視、老眼の影響がある場合などは、度数の合わせ方が変わります。
メガネの度数合わせは奥が深いものです。
信用できるメガネ屋さんで、プロの店員さんにしっかり相談しながら最適なメガネをつくってください。
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